南相馬市及び警戒区域内での放射線測定結果について(その3)
(以下の記事は、現在執筆中です。特にお断りもなく記載内容が変更されることがありますので、予めご承知置き下さい。)
11月末から12月最初の週末にかけて、南相馬市太田地区復興会議の皆さんが測定した放射線量の結果を可視化しました。
これまでに測定されたエリアは、既に図1の範囲をカバーするまでに至っています。ここでは、SAM940とbGeigieによる測定結果をあわせて表示しています。SAM940ではエネルギースペクトルを元に空間線量率を算出しています。bGeigieの測定結果は、本来CPMを採用すべきですが、便宜上uSv/hに換算しています。あくまでも、参考値としてごらん頂ければと思います。SAM940はバギー又は軽トラック(いずれも荷台)、bGeigieは乗用車(窓)または軽トラック(荷台)に、それぞれ高さ1mで設置して測定しています。
【図1】南相馬市太田地区復興会議と慶應義塾大学STEによる測定結果(全体、10月15日〜12月4日)
太田地区を中心にズームインした結果は、図2のようになっています。
【図2】南相馬市太田地区復興会議と慶應義塾大学STEによる測定結果(太田地区周辺、10月15日〜12月4日)
11月29日から12月4日までに測定された結果は、図3の通りです。
【図3】南相馬市太田地区復興会議による測定結果(11月29日〜12月4日)
JR常磐線磐城太田駅周辺の畑地及び民家周辺の測定結果は図4及び図5のようになっています。畑地内では比較的空間線量率が低いことがわかります。他方、屋敷林周辺では、これまでにも指摘されてきたように、相対的に空間線量率が高い地点があることも示されています。
図6は、原町区太田周辺の測定結果です。
図7は原町区馬場周辺の測定結果です。画面右下が馬事公苑、左下がフラワーセンター周辺です。
図8は原町区石神(石神第二小学校)周辺、図9は原町区仲町〜三島町〜本町〜東町周辺、図10は原町区大原・大谷周辺、図11は原町区片倉周辺での測定結果を、それぞれ示しています。
山間部での放射線量測定は、GPS測定精度が十分に確保できておらず、なお課題となっていますが、南相馬市西北部の山林地帯を測定した結果は図12のようになっています。また鴫原(しぎはら)地区周辺を測定した結果は図13のようになっています。
比較的幅員のある山間部の道路でも、位置情報がある程度の精度で計測されていますが、十分とは言えません。現在、ジャイロ付きGPSなどを使用するなどして、一定の位置情報精度を確保する測定方法を開発中です。
バギー測定は天空率の高い畑地や牧草地には有効であることはこれまでの測定結果からも示されていると言えるでしょう。今後、森林での測定手法を開発することも検討しています。
引き続き、太田復興会議の皆さんによる測定結果を可視化し公開して行く予定です。